2011年4月4日月曜日

電源用トンネルに損傷か=堤防に亀裂も-福島第1原発・東電

福島第1原発事故で、2号機取水口付近のコンクリート製立て坑「ピット」から流出が続く高濃度の放射能汚染水について、東京電力は4日、水が通る電源ケーブル用トンネルに何らかの損傷があり、そこから漏れた水が管路下の石層に伝わって流出につながった可能性があることを明らかにした。同社は、トンネルの状況などをさらに詳しく調べ、流出経路の特定を進める。
 また、経済産業省原子力安全・保安院によると、第1原発の取水路と海側を隔てる堤防に亀裂があることも判明。亀裂から汚染水が漏れている可能性もあるといい、東電は亀裂付近と2号機取水口の2カ所でカーテン状の「シルトフェンス」を張り巡らし、汚染水の拡散を防ぐ方向で準備を進めている。
 東電は当初、問題の汚染水は電源ケーブル用トンネルから管路を経てピットに流れたとみて調査。裏付けのため4日朝、乳白色粉末をトンネルにつながる立て坑から入れ、経路を確認しようとしたが、色付きの汚染水は4時間後も流れ出なかった。
 一方、管路の下には、石を砕いて固めた厚さ約20センチの石層が存在。東電は、トンネルに損傷が生じて汚染水が漏れ、この石層を通じて海へ流出した可能性もあるとみて調べている。石層と流出口はほぼ同じ高度にある。
 東電は3日、汚染水流出を食い止めるため、トンネルと管路の境界に吸水ポリマーなどを投入。汚染水流出がトンネルから管路経由とすれば一定の効果が見込めたが、流出量の変化はみられなかった。この結果も、汚染水が石層から流出している可能性を示すという。
2011年4月4日付(時事ドットコム)

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